私は、日本共産党を代表し、ただいま議題となっております、議案7件中、議案第1号、第6号、並びに第7号の3件に反対、残余の議案に賛成の立場から、討論をおこないます。
 一般会計決算の歳入は1兆2,623億300万円、歳出は1兆2,502億1,100万円でした。
 歳入から歳出を差し引いた形式収支は120億9,300万円、翌年度繰越財源を差し引いた決算剰余金は39億7,600万円です。このうち20億円を財政調整基金に積立てた結果、基金の年度末残高は224億円となっています。
 物価高騰が長期化し市民生活が厳しさを増す中、市民からは「暮らし・福祉最優先」の事業の実施が求められていましたが、その期待に十分応える執行がされたとは言えません。

 議案第1号「令和7年度札幌市各会計歳入歳出決算認定の件」に反対する理由を順次述べます。
 第1は、不要不急の北海道新幹線推進関連や都心民間再開発、都心アクセス道路建設など、十分な市民合意を得られていない事業が含まれているからです。
 代表質問では、頻発する自然災害への対応における、地下構造の都心アクセス道路建設について、高騰する総工事費に加え、浸水対策に多額の費用をつぎ込む事業は、札幌市として、国に対しいったん凍結を求めるべきと申し上げました。
 排水設備のある既存のアンダーパスで冠水による死亡事故が発生しており、地下トンネルが続く都心アクセス道路において浸水対策は困難であり、安全を担保できません。
 なお、議案第6号「令和7年度札幌市水道事業会計剰余金処分及び決算認定の件」、議案第7号「令和7年度札幌市下水道事業会計決算認定の件」についても、都心アクセス道路整備に伴う管路の移設工事費用として、水道事業会計に15億円、下水道事業会計に94億円が含まれているため、反対です。
 第2は、マイナンバー制度の事業関連費とシステム開発関連費、合わせて12億13万3千円が含まれているからです。
 不正アクセスによる個人情報の流出が相次ぐ中、マイナンバーカードへの紐づけが増えることで個人情報が集積され、漏洩のリスクが高まり、監視社会化につながる懸念があります。
 第3は、GX産業の振興及び金融機能の集積の呼び水とするとして、元本保証がないリスクと隣り合わせであるGXファンドへの出資5億円が含まれているからです。
 第4は、敬老パス制度の事業縮小のためのシステム改修費9,000万円が含まれているからです。「敬老パスは現行のまま存続してほしい」という5万6千筆を超える署名に寄せられた市民の声に応え、制度縮小は見直すべきです。
 第5は、老人福祉センター浴室利用料の25%もの値上げをはじめ、300か所を超える市有施設の利用料値上げが含まれているからです。
 第6は、学校新増改築費として、学校規模適正化、いわゆる学校統廃合に関する費用が含まれているからです。
 新築工事費等として予算執行された真駒内地区新設義務教育学校「真駒内学園」などは、マンモス校化の懸念があり、住民との合意も不十分です。
 第7は、駒岡清掃工場運営維持管理業務を民間への包括委託や、学校や保育園給食業務の委託拡大などで、本市職員を103名削減したからです。
 第8は、借上市営住宅4団地を契約期間満了をもって返還し、市営住宅の管理戸数を141戸廃止したためです。

 次に代表質問で取り上げた諸課題について申し述べます。
 物価高騰対策について、この間の対策では不十分であり、地域経済に効果がいきわたっていないと申し上げました。本格的な冬に向かい異常な灯油価格の高騰が、さらに生活を困窮させています。
 国の対策を待たず早急に対策をとるよう求めます。
 副首都構想は、7月の特別国会会期末に、特別委員会で法案が可決され、参院本会議に緊急上程、わずか2票差で可決されたものです。
 「副首都の具体像が見えないまま成立を急いだ」と報道されました。
 代表質問では「国家の危機管理と地方の成長.発展を共に実現するものである」との市長答弁でありました。
 副首都指定を受ければ、国の集中投資、規制緩和、税制優遇などが想定されており、「大規模災害のための副首都」という名のもとで、不要不急の大型開発やインフラ整備を国と一体に推進することになるのではないか危惧しているところです。
 副首都構想への係わり方は慎重でなければならず、取組を加速化させることは改めるべきと申し上げます。
 新MICE施設整備基本方針についてです。
 札幌市は、新MICE施設整備によって、「需要を確実に取り込む」などで「収益を最大化」するとのことでした。しかし、施設使用年数を「80年」と仮定したライフサイクル収支や経済波及効果の試算の妥当性には大いに疑問があり、むしろ公債費を増大させ、札幌市の進める財政運営の見直しと矛盾します。新MICE施設整備は、市民理解が得られるものではないため、白紙に戻すべきです。
 子ども医療費助成制度の所得制限と窓口一部負担撤廃については、早急に実施するよう求めます。

 次に決算特別委員会で取り上げた諸課題について局別に申し上げます。
 最初に総務局です。
 会計年度任用職員制度について、今年度、同一部3年ルールの例外職の分類を新設したことにより、任用状況は、3年を超えて再任用された方が80%を超えています。
 官製ワーキングプアをなくすため、公務員の有期雇用を見直し、最低生活費に見合った給料の引き上げが必要です。さらなる任用限度の撤廃などを求めます。

 市役所における女性職員の管理職登用について、ジェンダーギャップ解消の視点から質問しました。
 女性の管理職試験の受験率が低い背景には、家庭と就任後の仕事の両立への不安、受験への負担感があることがわかりました。
 働き方の課題等を解決し、職場でのジェンダーギャップ解消に努めていただくよう求めます。
 
 まちづくり政策局です。
 雪対策の検討についてです。
 札幌雪対策審議会では、市民理解醸成に関する取組として、市民会議やオープンハウスを行いましたが、さらに札幌市が地域に出向き、すべての地域町内会を対象とした説明会を行い市民の声を聞くことを求めます。

 丘珠空港についてです。
 防衛省が、滑走路北東に新たに用地を取得したことにより、民間機離着陸のたびに訓練を中断していた自衛隊機が、民間機の離発着に関わらず訓練ができるようになります。
 住民からは訓練の増加や騒音の悪化など心配の声が上がっており、今後の運用面において、札幌市として注視していただくよう求めます。

 財政局です。
 公共施設マネジメントについてです。
 総務省から、公共施設数や延床面積等に関する数値目標を持つことが望ましいとされております。
 札幌市は施設総量の抑制目標を定めていますが、総量の抑制に走ることなく、市民を主体とした公共施設の最適化を求めます。

 市民文化局です。
 消費者センターは、不特定多数を狙った詐欺等も含め幅広い相談対応などを担っています。
 現在、業務委託で運営されていますが、専門性を十分発揮できるよう、札幌市が、処遇等に対する改善や人材の確保・育成、相談環境の整備に向け主体的に取り組むよう求めます。

 保健福祉局です。
 札幌市独自に指定就労継続支援A型・B型事業所等の在宅利用時の「5割制限」が規定され、10月から実施されています。
 しかし、厚生労働省の検討においては、「5割制限」等は設けておらず、多くの自治体は実施しておりません。
 「5割制限」を見直し、個別のニーズや実態に合わせ、利用できない方が出ないよう、柔軟な対応をされることを求めます。
 放課後等デイサービスについてです。
 利用料の段階のうち、自己負担上限額が高い世帯で、利用日数が少ないという影響が出ております。他都市も参考に、自己負担上限額の段階を細分化するなど、軽減策を検討すべきです。
 また、1カ月の利用日数上限について、24日以上認める政令市が16市ある中で、札幌市は23日と少なく、市民から要望が出されています。障がいのある子どもへの支援向上のため、上限を引き上げるよう申し上げます。
 障がい者交通費助成制度については、昨今の物価上昇のなか、公共交通の運賃やタクシー料金、ガソリンの値上げが続いていますが、助成額は据え置かれています。障がい者の社会参加支援のために、助成上限額の引き上げが必要であると申し上げます。
 無料低額診療制度についてです。
 札幌市は、通院の場合に院外調剤薬局を制度の対象としておりません。経済的理由により、服薬をためらうことがないよう、早急に院外調剤薬局へも制度の適用をすすめていただくことが必要です。
 生活保護制度の通院移送費については、要件を満たしていても受けらない方がいないよう、ケースワーカーによる適切な周知・支援の充実とともにタクシー利用の場合、札幌市が事業者に直接支払う現物給付とするよう検討を求めます。
 介護サービス利用料の軽減策についてです。
 経済的な困難さから必要な介護サービスを受けられていない方にとって、社会福祉法人利用者負担減免制度の利用により、受けられる可能性が広がります。ケアマネ―ジャーや支援事業者、利用者へ広く周知することを求めます。
 難聴高齢者への支援についてです。
 札幌市は他都市の先行事例を参考に、聴力検査のモデル事業などを検討し、難聴高齢者への支援を進めるべきです。
 民泊についてお聞きしました。
 民泊事業が増えている中、騒音やゴミ出しのルール違反など日常生活に関わる苦情が増えています。地域の生活環境を守るため、民泊開始時において住民説明会を義務化するよう求めます。

 子ども未来局です。
 保育人材確保・定着については、「就職後も不安なく働けるよう、処遇改善等の定着支援策の充実が、札幌市の『保育士修学資金等貸付事業』の返済免除の適用にもつながる」との答弁でした。
 他都市の家賃補助制度なども参考に、処遇改善による定着支援を図るよう求めます。

 経済観光局です。
 さとらんどの、老朽化対策、修繕などは、機能維持と安全のためにも確実に取り組むことを求めます。また、農業の振興・支援と理解促進という施設本来の公共的な役割を重視し、魅力向上に取り組むよう申し上げます。

 下水道河川局です。
 全国では豪雨、線状降水帯による大きな被害が出ています。国としても検討しているところですが、札幌市として北海道や近隣自治体と連携し、気候変動と、河川流域の特徴を踏まえ、豪雨による都市型災害、中小河川での対策をすすめていただくよう申し上げます。

 都市局です。
 市営住宅についてです。
 市営住宅の応募倍率は、以前として高く推移しています。借り上げ住宅返還や建て替えも続き、移転等での必要数が続く見込みであることからも、修繕戸数を増やし、希望する市民が入居できる募集数とするよう求めます。
 また、市営住宅の排水管清掃は、本来、事業主体である札幌市が行うべきであり、入居者の負担は見直すこと、補助金を含め手立てを講じることを求めます。
 個人住宅の擁壁への対応についてです。
 住宅の擁壁の維持管理については、修繕等に係る費用の一部を補助する他都市の助成制度を参考に、札幌市でも導入すべきです。

 交通局です。
 市電は、沿線の人口増加とともに、観光客も増えており、冬季は自転車や徒歩から乗りかえる市民も多く、利用者数が増加します。運転手の確保を支援し、増便などにより、乗り残し等の改善に努めるよう求めます。

 水道局です。
 給水停止についてお聞きしました。
 困難な事情があって水道使用料金を払えない市民には、給水停止ではなく、福祉部局との連携による支援の充実と減免制度が必要です。

 最後に、教育委員会です。
 増加傾向にある外国人児童生徒への教育について質問しました。
 「就学状況を把握できない子ども」への対応は、保護者へのアンケートのみならず、電話、訪問等による個別確認等を行うことなど、文科省の改定指針に沿った調査を実施し、把握できないことがないよう求めます。
 また、日本語指導を必要とする子どもの、学びを支えている指導協力者への謝金引き上げとともに、プレクラス・プレスクールの充実や、高校進学枠の確保などサポートの充実を早急に図るよう求めます。

 スクールカウンセラーの体制についてです。
 SCの配置時間は、中学校1週あたり7時間以内、一方小学校は月約12時間と非常に少ない状況です。子どもたちの声を受け止められるよう児童生徒数を反映した配置時間の見直しを、小学校や特別支援学校にも広げるよう求めます。

 小学校への司書配置について求めました。
 小学校5年生の「読書が好きな子どもの割合」は、下がり方が顕著になっています。また、20政令市中、小学校への司書配置が「0」となっているのは札幌市のみとなっている状況から、子どもたちの読書意欲の向上などの成果が得られたモデル事業をいかし、専任の司書配置に踏み出すよう申し上げます。

 学校教育に係る保護者負担の軽減についてです。
 教育委員会は、小学校における補助教材の備品化に取り組み始めました。中学校も含めた対象の拡大と、国への財政措置拡充の要請を求めます。

 高等学校等生徒通学交通費助成制度について、子育て支援として通学定期代の負担軽減のため、助成基準額を引き下げるなどの検討を求めます。
 また、給付型の奨学金制度については、採用枠を拡充してきましたが、採用倍率は高校生1.6倍、大学生1.8倍と、必要としながら受けられない学生が一定数いることから、さらなる拡充を求めます。

 以上で、私の討論を終わります。